♪校長室カンタービレ♪ 第19号
平成29年11月15日
前号で、自然界および人工的な音も含め、この世界には音があふれているという話をしました。耳を傾けなければ聞こえない音、聞きたくなくても聞こえてきてしまう音、様々な音が存在します。さらには、超音波などという言葉もありますが、我々人間には聞こえない音も存在しています。
そもそも、音って一体なんなのでしょう。私は音楽を勉強してきましたが、この点についてはあまり深く考えたことがありませんでした。今回、少し勉強してみましたので、できるだけわかりやすく音の正体について書いてみたいと思います。
ある解説によると、音とは、空気の中に圧力が平均(大気圧)より高い部分と低い部分ができて、それが波(音波)として伝わっていく現象であると書いてありました。例えば、手をたたくと「パン」という音がします。たたいた手の周りの空気が押され、周りより圧力の高い部分(密の部分)ができ、この密の部分がとなりの空気を押します。一方、圧力が高くなった密の部分の間には、空気がまばらで圧力が低い部分(疎の部分)ができます。このようにして密の部分と疎の部分が生まれ、伸び縮みするように空気中の波(疎密波)として次々に伝わっていくのだそうです。難しいですね。
つまり音とは、「振動」なのです。音を発生するもの(音源)が振動を起こし、その振動が空気などを伝わり、我々の耳に届くのです。そして耳の中の鼓膜が振動して、その振動が脳に伝わり、脳が音として判断するのです。振動が伝わるのは空気だけではありません。水などの液体や金属・木などの固体も、振動は伝わります。逆に言うと、真空状態で振動を伝えるものがなければ、無音であるということになります。やっぱり難しいですね。
ちなみに、空気中を伝わる音の速さは毎秒約340メートル、水中では毎秒約1500メートル、鉄は毎秒約5950メートルだそうです。空気中が一番遅く、鉄が最も速く伝わるらしいです。駅のホームで、遠くの列車の音が線路からカタカタと聞こえるのは、音が伝わる速さの関係だったんですね。
ちなみにもう一つ、光が伝わる速さは何と毎秒約30万キロメートルだそうです。空気中を伝わる音が毎秒340メートルですから、桁違いの速さです。だから遠くで雷が生じたとき、ピカッという稲光のあと何秒もしてからドンという音が聞こえてくるのです。幼いころ、周りの大人から聞いたように、光と音がほぼ同時の場合は、近くに雷が落ちた可能性があるということです。
この音の正体が理解できたからと言って、音楽の学びにどういかしていけば良いか定かではありませんが、音の不思議、自然界の不思議、さらには人間の不思議というものを感じてしまいます。特に、同じ音であっても人によって感じ方が違う人間の不思議さを改めて感じます。理論ではなく感じ方が異なる人間、ここに音楽が存在する意義があるのかもしれません。